映画

新海誠監督のサイン会に行ってきた。

 

2年前、天気の子が劇場公開された際に参加した新海誠監督のサイン会の日記です。noteに書き起こしていましたが、こちらにも転載します。

 

2019年11月30日(土)に新海誠監督のサイン会が大阪のくずはモールにて開催された。

11月の頭にサイン会への申し込みを済ませ、当選報告のメールを頂いたのは中旬頃。会社の休憩時間中に見た時は嬉しかったが、あまり実感が湧かなかったのを憶えている。何せ10年以上、ずっと尊敬している人に会えるのだ。

僕が新海誠監督の作品に出会ったのはおよそ10年前、中学3年か2年の時である。当時の僕はアニメやドラマなどの映像作品を観るよりも、友達外で遊ぶ事を好んでいたと思う。

寝つきが悪い夜、テレビのチャンネルを回していると目に入ったとあるアニメーション映画。秒速5センチメートル(途中から見始めたけど多分桜花抄の冒頭辺りだった)。たった数秒の映像でこの作品に妙に惹かれ、僕は手を止めた。

僕は観終えた後すぐ眠ってしまったのだが、それからというものタイトルも分からない映画(憶えていなかった)の事を日々の中でふと思い出すようになった。監督の作る映画には、僕たちの日常に溶け込んでいる風景を切り取ったような描写が沢山出てくる。描写だけではなく音もそうだ。普段何の気なしに目にする景色、耳にする音が映画の中で美しく描かれていると、映画の中に惹きこまれてしまう。時々思い出してしまうのは既視感のようなものだったのかもしれない。日常から映画へ、映画から日常へ。あの作品を観る前と後とでは、世界の色が少し違って見えた。

中学生の僕は作品の内容を理解できていなかったと思う。ただ、初めて味わう何とも言えない感情、胸に引っ掛かる優しい不快感が、僕をこの作品の虜にさせたのである。

話しが逸れてしまったが、先日のサイン会は僕にとってかけがえのない時間になった。事前に話す事を考え、iPhoneのメモに書き起こしてはいたものの、監督を目の前にするとそれらの言葉は出てこなかった。伝えたい事は本当に沢山あったけれど、10年間僕を勇気づけてくれた作品を生み出してきた人が今目の前に居て、僕に語りかけてくれているという事実が堪らなく嬉しくて、心がいっぱいになってしまった(やっぱり映画の感想を伝えておくべきだったと今になって思っています)。かっこいい名前ですねと褒めて頂いたり、僕が「また3年後楽しみにしています。」と伝えると、「また3年後。」と握った両手をさらに力強く握り返してくれた。

3年後、僕は必ずこの瞬間の事を思い出すだろうし、死ぬまで忘れないと思う。